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非球面レンズとは?

各種非球面レンズの画像

■非球面レンズと球面レンズ

 

非球面レンズを説明する前に、まず球面レンズについて紹介します。
球面レンズとは、その表面の一部が球面を切り出した形状に近いレンズです。一方、非球面レンズは球の一部ではなく、場所ごとに曲率(カーブ)が異なるように設計されたレンズを指します。非球面設計を導入する目的を理解するには、次に「収差(収差)」について説明します。

 

■収差(しゅうさ)とは?

 

理想的なレンズは、光線を一点に正確に集光します。しかし、実際のレンズでは形状や光の入射角度によって光が一点に集まらず、像のズレやにじみが生じることがあります。この現象を「収差(しゅうさ)」と呼びます。

収差が大きくなると、

・ 画像がぼやける

・ 色がにじむ

といった問題が生じ、光学系の性能や画質に大きく影響します。非球面レンズは曲率を部位ごとに最適化することで収差を低減します。

 

■非球面レンズのメリットとは?

 

非球面レンズのメリットは以下の通りです。

・ 球面収差の抑制

・ 型化・軽量化、それによる透過率向上など

・ レンズ枚数の削減によるコストダウン

一方で、球面レンズは形状が単純であり、加工が容易で非球面レンズに比べ効率が劣る分、コスト面で有利です。

したがって「どちらが優れているか」ではなく、「用途やコスト、光学性能の必要度」
に応じて使い分けることが重要です。

 

■非球面レンズの製造方法

 

非球面レンズはその形状の複雑さゆえ、従来の球面レンズのように単純な研磨で仕上げることが難しく、
製造は大きな課題でした。

現在は以下のような代表的な製造方法が確立されています。

金型成型:金型を用い成型をする方法。大量生産に適し、安定した生産性と品質の確保が可能。

研磨成型:研磨機によって形状を直接加工する方法。

金型成型+研磨成型:金型を用いた成型と、研磨による成型方法を組み合わせた方法。

五鈴精工硝子では1969年より金型を用いた非球面レンズの成形を開始し、切りかけのある特殊形状や自由曲面、両面非球面などの複雑な形状も実績があります。

 

■採用事例

 

非球面レンズは、その性能からプロジェクターや照明光学系、医療機器(内視鏡)、センサー(LiDAR)など幅広い分野で採用いただいております。

五鈴精工硝子では、数千種類に及ぶ非球面レンズ製造の経験を基に、光学設計・シミュレーションの受託も行っており、多様な分野に対応可能です。

 

五鈴精工硝子で、成型可能な硝材およびスペックシートなど詳細データについては“非球面レンズ詳細”ページをご確認ください。

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※技術的なご相談も承っております。些細なことでも構いません。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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