読み物
光学ガラスフィルターは、紫外線・赤外線の制御や特定波長の透過・吸収を可能にし、カメラや医療機器、分析装置など幅広い分野で欠かせない存在となっています。一般的なコーティングフィルターとは異なり、ガラス自体に光学特性を持たせることで、角度依存性が少なく、長期的に安定した性能を維持できるのが大きな特徴です。五鈴精工硝子では、創業以来培ってきた約200種類に及ぶ独自の原料調合ノウハウを活かし、多様な用途に対応する光学ガラスフィルターを提供しています。本記事では、光学ガラスフィルターの仕組みや特長、そして当社の代表的な製品をご紹介いたします。
光学ガラスフィルターとは、ガラスそのものに光学的な特性を持たせることで、特定の波長の光を透過または吸収することができるフィルターです。一般的なフィルターのように表面コーティングによって機能を付与するのではなく、ガラス自体の組成を調整することで特性を発現させるため、入射角による性能の変化(角度依存性)が抑えられるというメリットがあります。
さらに、蒸着膜を利用した光学フィルターと比較すると、光学ガラスフィルターはガラス素材自体が機能を持っているため、膜剥がれや経年劣化が起こりにくいという特徴があります。加えて、ガラスは無機材料であることから、物理的にも化学的にも安定しており、長期にわたって安定した性能を維持できます。
光学ガラスフィルターには、紫外線や赤外線の透過・吸収以外にも、特定の色域だけを選択的に透過させる色ガラスなど、さまざまな種類が存在し、カメラやプロジェクター、医療用機器、分析装置、光通信機器など幅広い分野で活用されています。
五鈴精工硝子は、1948年より色ガラス製造の走りとなる硝子碁石の生産をスタートいたしました。以降、約80年にわたり多様なお客様のご要望に応える中で、原料における豊富なノウハウを蓄積し、現在では約200種類にも及ぶ原料を用い用途や目的に応じた多彩な性能を持つ光学ガラスフィルターを生み出してきました。
『IHUシリーズ』は、紫外域に透過限界波長を持ち、紫外線への高い耐候性を備えた光学ガラスフィルターです。
IHUシリーズの中には、金型での成型が可能な硝材もあり、レンズアレイや非球面レンズなど形状についてはお客様のご要望にも対応いたします。UV殺菌、医療機器、分析機器、露光装置、UV-LEDカバーガラスといった幅広い分野にて採用いただいております。
熱線(赤外線)をほとんど遮断しながら、可視光を高い透過率で通すように設計された光学ガラスフィルターです。
レーザー保護メガネや防熱フィルター、YAGレーザー遮断用、医療機器など様々な現場で幅広く採用いただいております。
その他、光学ガラスフィルターをお探しの方はこちらをご確認ください。
※技術的なご相談も承っております。些細なことでも構いません。どうぞお気軽にお問い合わせください。