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品質を守る~品質保証部~

五鈴精工硝子品質保証部検査風景

製造段階で細心の注意を払っていても生じてしまう、小さなキズや異物混入。当社では、工程ごとに全数目視検査を実施いたしております。各工程で検査することにより、どの工程で問題があったのかが把握でき、原因の絞込みによる早期解決を目指すことでお客さまの信頼に応えられるよう努めております。

その品質を守る「品質保証部」で顕微鏡と同じくらいの精度で不良品を見分ける、入社7年目の岩野恵里香さんに五鈴の品質管理の仕事を紹介してもらいます。

 

●品質保証の仕事

光を当ててレンズを目視検査する様子

 

ひとつの工程が完了する度に検査室に製品が入ってくるので、製品の規格書に合わせて検査します。検査は基本的に目視検査にて行い、工程ごとにキズ、汚れ、割れ、欠け、表面についている異物の有無をチェックしていきます。現在は7名で検査しており、当社で取り扱う全ての製品を全員がチェックできるようにしています。

ひとりの検査員が担当する検査数は企業様や製品によって異なりますが、成型レンズは規模が大きくなると一日あたり4,000枚に上ることもあります。ガラスフィルターについては一枚ずつ紙で巻く製品は多くても200枚くらいの作業量になります。

 

●検査のコツ

検査では製品の大小や種類によって検査の難易度も変わります。大きい製品は検査しやすいですが、大きくても検査規格が厳しい製品もありますので、単純に大きさだけでは難易度を図ることはできないと思います。成型レンズとガラスフィルターで比較すると、成型レンズは凹凸やカーブがあって見づらいため慣れても判別しづらいときがありますが、ガラスフィルターは一枚の板状のため色ガラスであっても成型レンズよりは見やすいです。

工程ごとにも着目するところがあって、例えばプレスでは「白点」と呼んでいる白いゴミのようなものはプレス工程で材料と一緒に入り込んでいて、あとの工程では除去できないもの。研磨工程では、研磨機器にセットしたときの機械との密着部分にキズや欠けが出ることが多いので重点的に見ていくなど経験と勘を働かせるところも多く、製品ごとに「こんな不良が出るんじゃないかな」といった予測を立てて検査しています。

実際に「これ見つけたの?100倍に拡大してやっと分かったのに。」と言われたこともありますが、経験による慣れと製品ごとに変わる「見る視点」のポイントを掴んでいるからできることと自負しています。

綿棒でレンズ表面の埃を払っている画像

 

●検査員ならではのエピソード

日常生活で特に意識していることはないのですが、小さなキズや異物などを確認することが習慣となっているため細かいものに目が留まりがちだと思います。特にガラステーブルなどのガラス製品や窓を見るとキズや汚れが気になりますし、細かな文字なども無意識に読もうとしています。昨年、新札が出たときには新札に施された偽造防止の細かな文字や柄を無意識に探していたこともありました。

仕事では、検査課の面接は他部署とは少し違っているかもしれません。応募者の方の資質にかかわらず、向き不向きがある業務ですので、他のことでは優秀な仕事ができる方であっても、キズや欠けを見つけづらい方もいます。そのため、面接時に不良品のサンプルを見てもらい、こちらが示した不良部分を判別することができるか確認しています。当社の製品はガラス製ですので、取り扱い方も見ることができるため採用時の参考にさせていただいています。

レンズについたキズのサンプル画像

の白い点がキズ

 

●検査員の役割と課題

光を当てた状態でルーペでガラスフィルターをチェックする様子検査員がしっかりとチェックして不良品を除くことで、五鈴の製品は間違いないとお客様に信用いただけるのだと思いますが、不良品が増えると社内的には良品が作れていない証明となってしまいます。そのため、検査課はただ検査するだけでなく、改善の参考となるようにできるだけ詳しく、どのような不良が製品のどこに見つかったのかを各現場に伝えることも重要な業務のひとつと認識しています。

また、お客様に確実に良品をお届けするため、検査課としては個々のレベルを上げていくことが使命だと思っています。そのためには、より多くの製品を検査して経験を積んでいくなかで、人の目だから気づく、ちょっとした違和感を感じとる力をつけることが検査力の向上につながる重要な要素であり、合わせて集中を維持する忍耐力をバランスよく身に着ける努力を検査課の皆で支え合いながら根気強く続けていかなければならないと考えています。